ヴァンパイアと人間


「あの2人は絶対言いたくねえって言い張ってたけど...俺だって実桜ちゃんの血、欲しいんだよね~」


またグイッと顔を近付ける


「実桜ちゃんの血は、他の人間とは違う。...先学校行くね~」


智乃君は手を振って先に学校へ向かった


もう牙は消えていた


もしかして、幻なんじゃ...?


学校へ行けば、みんな普通なんじゃ...?


淡い思いを抱えて学校へ向かった


「あ!!実桜ー!!!」


「涼子...」


教室に着くと、涼子がドアまで迎えに来てくれた


「実桜、なんかね?翔琉が実桜に言いたいことあるんだって♪」


「翔琉が...?」


「実桜、ちょっと来てほしい」


「うん...」


翔琉が寄って来た


「愛の告白かもね☆」


「ばか...」


涼子は耳元で囁いて笑った


...この2人も、ヴァンパイア...?


1歩前を歩く翔琉の背中に問いかける


翔琉もヴァンパイア、なの?


ねえ...教えて...


あたしに近付いたのは、血が欲しいだけ?


あたしに、興味ないの?


違うよね...?









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