ヴァンパイアと人間


「今まで黙っててごめん」


強く、あたしを抱き締める


「これからも、実桜にはそばに居てほしい」


「それは、ただ血がほしいだけ?」


「違う」


「だったら...キスして」


「は?」


翔琉があたしを離す


「キスしてよ」


頬に冷たい水が流れる


「今の話、聞いてたのかよ...キスしたら...」


「人間が消えるんでしょ?...それでもいい。翔琉と...繋がりたい」


「...俺には出来ない」


目を伏せる翔琉


「じゃああたし達、何のために付き合ってるの?何もしないんじゃ...意味ないんじゃないの?」


「.....」


翔琉は黙り込む


「付き合う理由、ないよね?」


「理由、要るのかよ」


低い翔琉の声


...怒ってる...


「ただ好きって理由じゃ、足りねえのかよ」


翔琉の瞳は、なぜか青い


いつもは黒いのに...


「俺は実桜が好きだから、付き合いてえって思う。キスしてえけど...消えてほしくないから我慢してる。俺だって...実桜に触れてえよ」


「だったら、触れてよ。あたしは絶対消えたりしないから」


「絶対出来ない」


翔琉は絶対に手を出してくれなかった










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