ヴァンパイアと人間
「どうせなら、このままこの子、消そうかな」
消...す...?
「やめろ!!!」
智乃君が近付いてくる
「来るな」
「っ...」
智乃君と雅樹君は見えない力のせいで、身動きが取れない
他の人は全然気づいてくれない
まるであたし達は別世界に居るみたいで
「やだ...!!!」
「お前もうるさい。ちょっと黙っててよ」
「痛ッ...」
あたしも見えない力で動けない
「じゃ、いっただっきまーす♪」
後藤理輝があたしにキスをしようとする
しかも...牙が見える
あたし...死ぬのかな...?
もう...涼子や翔琉に会えないのかな...?
最後に...ごめんねって言えれば...
あたしの頬を涙が伝う
「ご...めんね...」
ゆっくりと呟いた
「や...めろー!!!」
「いだっ!!!」
力が解けて、その場にしゃがみ込む
「実桜!!無事!?」
「涼...子...?」
どうして...涼子が...?