ヴァンパイアと人間
「慣れればんなに痛くねえ。最初は痛いかな」
「そっか...」
痛いんだ...
「翔琉、吸って?」
「は?」
「あたしの血、特別なんでしょ?」
「そうだけど...」
「実桜!!ダメだよ!!!」
「なんで?なんでダメなの?」
「そ...それは...」
「ねえ、たいして意味ないなら平気だよ」
「実桜...」
「...分かった。覚悟しろよ」
「うん」
翔琉があたしの首筋に噛み付いた
「痛ッ...」
チクッと痛みが走った
「我慢しろ。すぐに終わらせるから」
「うん...」
血を吸う音がする
血の匂い...
「...どうもないか?」
「うん、なにも」
翔琉の口にはやっぱり2本の牙
だけど...似合うなぁ...
「似合ってほしくねえよ、こんなの。...本当に大丈夫か?」
「うん」
別に...何もないけど?