ヴァンパイアと人間
「実桜...?」
翔琉があたしの名前を呟く
「翔琉が生きれるなら...あたしは消えてもいいよ...?それで翔琉が王様になれるなら...あたしの命なんて...くれてやる」
翔琉を離して、瞳を見る
翔琉も、少し青い瞳をしていたんだね
「ねえ、翔琉」
「うん...?」
「...キスして?」
「...嫌だ」
「翔琉...大丈夫だから」
これじゃ...王様なんてなれないよ...
「翔琉、キスしてやりなよ」
「涼子...!!お前まで...」
「実桜の目、見てみなさいよ」
「.....」
翔琉はあたしの目を見た
あたしは、翔琉をじっと見つめていた
絶対、死ぬもんか
死んでたまるか
「...分かった」
翔琉...
「絶対...消えるなよ...死ぬなよ...?」
「分かってるよ。絶対、死なない」
「ん」
翔琉はあたしに、そっとキスをした
きっと...一生で最後のキス
もう...翔琉とは一緒には居られない...