ヴァンパイアと人間


唇を離して、2人して笑った


なんか、おかしくて


でも唇が震えた


これで...消えるんだね...あたし...


.....


だけど、全然なんともない


「あれ...?」


どういうこと?


「ぴんぴんしてるんだけど...?」


なにが、どうした感じ?


「チッ...そういうことか」


王様が呟いた


え、何が?


何がそういうこと?


「そんなことって...あるのかよ...」


「どんなこと?」


「実桜は、妃に選ばれたの」


「...ん?」


妃って?


あのー...天皇とかの奥さんの人のこと?


「ヴァンパイアの世界ではね、人間とヴァンパイアがキスしてもなんともなかったら妃になれるの。ほとんどはすぐ人間が消えちゃうんだけど...実桜は多分、特別な血を持ってるからかな?」


そんな理由?


「そんな理由で決まんだよ、俺らは」


王様はちょっと機嫌悪そうに呟いた


「そう、ですか...」


あたし...消えなかった...


良かった...














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