ヴァンパイアと人間
変化する体
来るわけないもんね、こんな奴のために...
『そう思うなら、俺に体譲ってよ』
「は...?」
聞いたことのない声
「誰?」
『俺、事故って体なくなっちゃったんだよね~。だから体、譲ってよ。どうせ誰も来てくれないんだろ?』
「来てくれないけど...」
あたしは姿の見えない誰かと話す
『どうせ、アンタ1人ぼっちなんだろ?』
1人ぼっち...
あたしは...誰からも必要とされてないんだ...
「...いいよ」
その瞬間、体に誰かが入るのが分かった
『ありがとねー』
あたし...誰かから必要とされたことあるのかな...?
...きっとないよね...
「実桜ー!!!」
遠くから誰かが呼ぶ声
...誰...?
だけど体は声のする方向とは反対に歩き出す
ちょっ!?!?
体が言うことを効かなくなった
『この体、もう俺のもんだろ?』
そうだけど...
『だったら俺がどう使おうか勝手だよな?』
そんなの...嫌だ!!!
力を入れて立ち止まる