ヴァンパイアと人間


「実桜ちゃん!!」


「...智乃君...?」


迎えに来たのは汗だくの智乃君


「やっと見つけた...帰るよ」


あたしの腕を掴む


だけど振り払う


「実桜ちゃん?」


「あたし、ヴァンパイアなんでしょ?だったら...勝手に生きさせてよ。好きなように、生きさせてよ」


「それは出来ない」


「なんでよ!!なんで出来ないわけ!?」


あたしの体なのに...


『もう、俺の体だ』


「違う!!!」


「え?何が違うの?」


「いや...」


ちょっと黙っててよ!!


『うるせーなー。俺の勝手だろ?』


ちょ!!


どこ行くのさ!?


『俺の行きたい場所』


「実桜ちゃん!?どこ行くの!?」


体が勝手に方向転換して、智乃君に背を向ける


「うるせーなー。別に俺の勝手だろ」


「実桜...ちゃん...?」


ちょっとー!!!


なんで男の口調で喋るのさー!?








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