ヴァンパイアと人間
あたしは椅子から立ち上がって涼子の両手を掴む
「実桜?」
「この手で...料理作ってくれたんだね...?」
「ちょ、実桜っ。どうしたの?」
あたしにも分かんない
体が勝手に...
涙が勝手に流れるんだ...
もしかして...?
「実桜...?」
「...なんでもない!!」
涙を拭いて笑顔を見せる
それで昨日お母さんが置いて行ってくれた服に着替える
「どっか出掛けるの?」
「うん。行かなきゃいけない場所があるから...」
「じゃあ雅樹連れてってよ」
「俺かよ...」
「いーよ、平気だって!!」
「ダメ!!雅樹、ちゃんと実桜を守ってね?」
「へいへい」
「もう...」
涼子ってば、あたしを心配しすぎだよ
『どうでもいいから早く行こうぜ』
あー、はいはい
「じゃあ行ってくるね。翔琉が帰ったらよろしくねー」
「雅樹!!実桜から目を離さないでね!!」
「わぁってるって」
雅樹君を連れて翔琉の家を出た
あたしは過保護かっての...