ヴァンパイアと人間
気持ち
「もう用事は終わったか?」
「んー、多分」
「お前なぁ...」
雅樹君に目を向ける
「ねえ、あたし、少し変わったと思わない?」
「あ?」
雅樹君は目を丸くする
「...そうだな、変わった」
「そっ」
「笑顔が輝いて見える」
「...笑顔?」
「うん。なんか...迷いがない気がする」
「まあ...迷いはないけど」
「じゃあ大丈夫だろ」
いや、何が?
主語を付けてください
「もう帰ろうぜー」
「んー、あたし、もうちょっとここに居るよ」
「じゃあ俺、あそこのベンチで座ってっから帰る時はちゃんと声掛けろよ」
「はーい」
雅樹君はちょっと離れたとこにあるベンチに腰を掛けた
「んー...」
風が気持ちいい
あたしの長い髪を風が撫でる
花が揺れて綺麗
あの人は...どうしてここに連れてきたんだろう?
ここに...何か思い出でもあるのかな?