ヴァンパイアと人間
「じゃあ翔琉が死んでもいいのか?」
「えっ...」
「翔琉が死ぬか、アンタがヴァンパイアになるか。どちらかを選べ」
気づいたら王様はあたしの目の前に立っていた
本来の姿で
そりゃぁ...もちろんあたしがヴァンパイアになった方がいい
翔琉は...絶対消えてほしくない...
「だったら、ヴァンパイアを選ぶんだな?」
「翔琉が死ぬなら、あたしがヴァンパイアになった方がマシです」
「...そうか」
王様がニヤッと笑ったのが分かった
「じゃあヴァンパイアになるんだな?」
「...はい」
王様があたしの首筋に顔を近付けた
「...親父ーーー!!!」
空から翔琉の声が聞こえて王様は動かなくなった
「実桜!!大丈夫か!?」
「翔琉...?」
本当に空から翔琉が降って来た
「お前...何してんだよ!!」
王様とあたしを離す
「何って...ヴァンパイアになりたいの」
「それがお前の本心かよ!?」
「だって...そうじゃなきゃ...」
あたしは涙が溢れだす
「...悪い、言いすぎた...」
翔琉があたしを抱き締めてくれる