ヴァンパイアと人間
智乃君は言いたくなさそう
「智乃、何があったか言えよ」
雅樹君が智乃君の胸倉を掴みあげる
「...アイツが...」
ぽつぽつの喋り出す智乃君
「翔琉が...追放された...」
「...は?」
「追放...?」
ってなに...?
「もう...翔琉に会えないの...!!」
涼子が泣き叫んだ
「会え...ない...?」
どうして...?
「どうして翔琉が...追放される必要があるの...?」
「翔琉は...実桜ちゃんがヴァンパイアになるのは嫌だって...実桜ちゃんがヴァンパイアになるくらいなら...俺は死ぬって...」
あたしを...かばったって...こと...?
「みんなは...どうなるの...?」
「俺らはヴァンパイアの世界に戻ることになる。そしてもう...2度と人間の世界には下りれないと思う」
「そ...か...」
雅樹君はいつもと変わらずに呟いた
そう思うと本当なんだって思わされる
あたしはまた...1人...
「記憶も...消えちゃうの...?」
「そう...なる」
雅樹君が初めて悲しい目をした
消えちゃう...んだ...
全部の思い出が...消える...