ヴァンパイアと人間
目を開けると、さっきと同じ場所
何も変わってないように見える
だけど変わった
翔琉たちのこと、思い出した
何処に行ったの?
何処に居るの?
ねえ、ありがとう
大切なもの、思い出せたよ
『そ。ならいい。もう2度と忘れんなよ?』
うん!!!
ありがとうね!!
あたしは家まで走った
お母さんなら絶対何かを知ってる
お母さんは...ヴァンパイアだったから
あたしも...ヴァンパイアだから
「お母さん!!!」
家に帰った途端、お母さんを呼ぶ
リビングに入ると夕飯の準備をしていた
「なぁに?どうかしたの?」
「ねえ、翔琉たちは何処に行ったの?」
「...あなた、それ、どうして」
お母さんの声が低くなった
「全部思い出した。お母さんがヴァンパイアだったことも、王様が翔琉と涼子のお父さんだってことも、...あたしもヴァンパイアの血が流れてることも全部」
「...そう」
夕飯の準備をやめて、お母さんが近寄って来た
「あの人達なら、生きてるわよ」