ヴァンパイアと人間
「良かった...」
「でも、会わせられない」
「なんで!?」
生きてるなら会いたいのに...
「諒一さんがね...」
「...王様?」
「そうよ。諒一さんが許可を出さない限り、実桜はあの子達に会えない」
「そんな...」
へなへなと座り込む
会えないの...?
もう2度と...会えない...?
翔琉...涼子...智乃君...雅樹君...
会いたいよ...みんな...
「お母さんだって何回も交渉に行ったわ。けど...ダメだった。人間に恋を抱くだなんて禁じられてるから...」
「...どうして?」
「え?」
「どうしてダメなの?恋することはいけないこと?誰を好きになろうが、自由じゃないの?」
「そうだけど...」
「生きてる限り、人間もヴァンパイアも関係ない。同じ命じゃん。なんでそんなの...決めつけられてるの?」
そんなの...ひどすぎるじゃん
生きてる心地しないじゃん
楽しいことなんてないじゃん
...あ。
だから智乃君は言ったんだ...
嬉しそうな笑顔をあたしに見せてくれたんだ...