ヴァンパイアと人間
「...実桜、諒一さんに会う?」
「――へ?」
急に言われた一言
「実桜なら、諒一さんを説得できると思うの」
「でも...」
会えないじゃん...
「それなら任せて。あたしが連れて来るわ」
そうお母さんは言って、家を出て行った
連れて来るって言っても...
すぐ近くに居るわけないじゃん...
あたしは夕飯の途中を任された気がして
お母さんが作ろうとしてた夕飯を作り上げた
...お腹空いた
ごめん、お母さん
「先にいただきます」
ご飯を食べた(限界だったんですよ)
「実桜!!連れてきたよ」
「なんだ、人間」
ムッ、とした
「人間って名前じゃないです。ちゃんと名前があります」
てかよく王様、連れてこれたね...
「で、用件はなんだ」
「翔琉たちに会わせてください。返してください」
「...覚えてたのか」
「当たり前です。忘れるわけないです。忘れたくない思い出です」
絶対...忘れたくない
みんなは...あたしの大切な人だから