ヴァンパイアと人間


「理由を言ってみろ」


「あたしにとって、みんなは大切な人なんです。絶対...失いたくない記憶の一部なんです」


「.....」


王様とお母さんは黙り込む


「たしかにヴァンパイアってのは怖いです。けど...全員が全員そうではないことが分かりました。翔琉たちは...すっごい優しくて...あたしに仲間というものをくれました」


「涼子はあたしに勇気をくれて、智乃君は笑顔をくれて、雅樹君は優しさをくれて、翔琉は...愛しさをくれました。仲間ってそういうものじゃないんですか?少なくともあたしはそう思います」


それだけ...翔琉たちが必要


王様は1つ溜息をついた


「実桜!!」


「え?」


辺りを見渡しても誰も居ない


「涼子...?」


「実桜!!!こっち!!」


たしかに涼子の声が聞こえる


「どこ!?」


「ここ」


「わっ...」


急に目の前に雅樹君が現れた


「雅樹君...?」


「俺も居るよーン♪」


「智乃君!!」


雅樹君の後ろに智乃君が現れた


「実桜ーん!!!」


「キャッ...」


急に後ろから抱き着かれて前のめり


「りょ...涼子!!!」










< 85 / 90 >

この作品をシェア

pagetop