ヴァンパイアと人間
ずっと、永遠に
「諒一さん、分かった?これがこの子たちの決意。認めてあげましょうよ」
「だが、後継者は...」
「人間の世界で暮らせばいいじゃない。そうすれば後継者や王様なんて必要ないでしょう?」
「歴史が変わってしまうじゃないか?」
「歴史にいつまで囚われてるの?もう、いい加減諒一さんも幸せを見つけなさいよ」
お母さんと王様が言い争ってる
「ねえ...?」
「ん」
翔琉を見上げる
瞳の色はもう、黒だった
「本当に...いいの...?」
「何が」
「人間になっても...」
「構わない。実桜のそばに居るって俺ら、決めたんだ。まあ...クラスは離れることになるかもしれねえけど」
そうか...
転校生ってことになるんだ...
「でもあたし達、これからはずっと実桜のそばに居るよー♪」
涼子があたしの手を握る
「俺らだって一緒だよ~」
智乃君が手をヒラヒラしてる
雅樹君は相変わらず無表情
「...俺は絶対、人間の世界で済むのは反対する。お前ら、ヴァンパイアに泣きついても俺は助けないからな」
「ンな見苦しいことなんかしねえよ。俺らは俺らの意思で人間になったんだ。だから俺らは勝手に過ごす」
「フン。勝手にしろ」
王様はそのまま姿を消した