xxxFORTUNE
CHAPTER〓3
★いつかの遠い記憶
「この間はごめんなさい!
せっかく帰り一緒だったのに」
あれから数日、学校で再会した琴葉ちゃんに頭を下げる。
それも早朝から。
「ん、別にいいよ」
窓を見ていた彼女は、あたしのほうへ顔を向けると優しく笑った。
相変わらず、琴葉ちゃんは男の子たちの注目の的で。
ついでに言えば、愛琉さんも女の子から相変わらずの人気。
あんな性格悪いのに、どうして女の子たちが寄るのか理解に苦しむわ。
「そういえば楼那さん、忘れ物って見つかったの?」
「へっ、忘れ物?」
あぁ、確かそんな言い逃れをしていたような………
「えぇ、見つかったわ!
うん、問題なしよ!」
この場は適当に誤魔化して、やり過ごすしかないわね。
クラスにもそろそろ馴染んできて、人間界の言葉は…まだまだだけど。
黒板に書かれた文字をノートに移す作業くらいは、慣れてきたってとこかしら。
窓の外は晴天。
校庭には、体育の授業があるらしいクラスの生徒たち。
廊下には、騒がしく笑い声が溢れてる。
「おい、」
そんな中、清々しい気分をどん底に落とす人が。