xxxFORTUNE
と、ここまでやってから気づいたの。
人間界では魔法禁止だって───
「きゃあっ…!」
やってしまってからでは、もう遅い。
ついでに言うと、あたしは天才的に魔法が下手だ。
流星のような光が、紙が燃えていくと同時に飛び散った。
「うぜぇんだよ、何やって───」
おまけに、騒音を聞きつけた愛琉さんが。
「読書の邪魔で……これは、いったい──!?」
さらに、誠さんまで。
「悲鳴したけど、何かあっ……たのか」
お馴染みになってきた、呆れ顔の恋千くんも。
何も言わなかったけど、里音もいる。
「うわぁぁあああ」
叫び声がしたかと思えば、佐久間さんまで出てきて。
「ち.違うのっ、これは魔法を失敗しただけで」
「魔法?」
「あっ……あの、じゃなくてだからその」
最高に冷ややかな目が、あたしを見下している。
どかどかと近寄ってきた愛琉さんに、思わず後退り。