xxxFORTUNE
「おまえ、何者だ?」
こうして、人間界にやってきた初日のこと
「……魔法、使いです」
睨みつける彼の恐怖に負けて、正体を明かしてしまったのでした。
◇
―――――――
※お約束
あたしの正体は、この洋館に住む人だけの秘密。
魔法は、使うなら失敗してはダメ。
突然、魔法学校の先生が訪ねてきた時は、あたしが魔法を使わず礼儀正しく生活していることにする。
―――――――
「補足に、【ホタルの面倒見係】って……」
あれから1ヶ月。
あたしのことを黙っていてくれる代わりに、妙な条件を出されて。
それが、佐久間さんの面倒見係。
箒を片手に掃除をテキパキとこなすあたしは、この時すでに
「まだ、棚が綺麗になってねぇけど?」
「それよりも、掃除を理由に勝手に部屋に入らないでください」
「せーんぱいっ、階段も掃除しといてねー」
確実に、3人の下僕へと成り下がっていた。