xxxFORTUNE



リンス、というのはアヴァルア校長先生のことだ。

…というか、アヴァルア校長先生ってお孫さんがいたのね。


「私とリンスは古くからの親友でね。
よく会っていたものよ」

おばあ様の話によれば、アヴァルア校長先生は年を一定までしか取らない特異体質らしい。


どうりで、おばあ様とは外見が違っているわけだ。


「ねぇ、おばあ様。
アヴァルア校長先生の娘さんが、人間界のイケメンと結婚したって本当?」

せっかくなので、一番気になったことを質問してみた。


すると、おばあ様は写真へと視線を落として。


「そうねえ、人間界の男性と結婚したのは間違いないわよ」

変わらず落ち着いた口調。


「この2人の子どもたちはね、1人が人間の血を、1人が魔法使いの血を受け継いだのよ」

そう言って、また先程の写真に撫でるように触れる。


「それぞれの血を半分ずつじゃなくて、綺麗に二つに分かれちゃったの?」

てっきり、人間と魔女のハーフだから両方の血が流れているのかと。


「いいえ、ちゃんと両方の血が流れているわよ。
けれど、半分こではないの」

「どういうこと?」






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