xxxFORTUNE
あたしには、いたくても人間界にいられる可能性がないに等しいから。
「自意識過剰というんですよ、そういうのを」
どんなに貶されても、構わない。
「みんなも心配してるわ。
誠が動かなかったら、何も事態は変わら───」
「迷惑だと言っているんです!」
怒鳴るように言われ、口を噤むひと時。
誠が、目の前まで来て座った。
「はぁー‥」
言い返せなくなったあたしに対し、深くため息をついて。
「どうして僕の言いたいことがわからないんです?」
まっすぐに見つめられ、告げられる。
「僕の状況は、誰にも理解できるはずないんです。
子どもの頃から、どれだけ親の期待の中で育ってきたか………」
そこまで聞いて、思わず開けた口。
「そんなの、甘えだわ」
期待されて育ったのは、あたしも同じ。
それを言い訳にしちゃったら、ずるいじゃない。
「あたしだって、怖い。
エシャルに戻って、いろんな人から感じたわ。
お姫様だからがんばらなきゃって、魔法も失敗できないって」