xxxFORTUNE
うーん…どちらも有り得そうだから困るわ。
どうやったら、優しくなってくれるのかしら。
こう、何か絆が深まるようなイベントでもあればいいのよね。
「ヒメっ、一緒に映画見よう!」
呼びかけに、魔法で動かしていた掃除用具が一時停止。
駆け寄ってくる佐久間さんへと、顔を向けた。
「映画?」
「うん、DVD借りてきたんだ」
そう言って、両手に一枚ずつ四角くて薄いケースを持っていた。
慌てて掃除を終わらせて自由時間を作る。
ひと息つけるようになってから、案内されるがままに佐久間さんの部屋へ。
以前はカーテンが閉まって薄暗かった部屋は、真逆に光が差し込んで暖かだった。
「で、なに見んの?」
たくさんあるDVDを散らかしながら、あさっている恋千くん。
「ぼく、怖い話がいいっ」
テレビという機械に電源を入れながら、明るく返事をする佐久間さん。
「カーテン閉めるよ」
里音は、そのテレビ画面に光が反射して見づらくなるのを防ぐためカーテンを閉める。
あたしはというと、膝に顎を乗っけて座ったまま。