xxxFORTUNE
CHAPTER〓5
★青い鳥の行く末に
エシャルに帰るまで、残り一週間。
学校では、転校手続きが行われた。
といっても、あたしがやるわけじゃない。
エシャルに関しての事情がバレることを防ぐため、事前にアヴァルア校長先生が魔法で済ませてくれたの。
月明かりが街を照らす夜。
夕飯を食べ終えて、それぞれが自由な時を過ごす刻。
あたしは、落ち着かずに思案していた。
幸せってなに?
目的である幸せの答え、まだちゃんと見つけられてない。
リビングのふかふかのソファーに深く腰掛けて、膝の上には黒猫。
喉を撫でてあげると、気持ちよさそうに目を細めて鳴いた。
「あなたは、幸せ?」
尋ねると、無言のまま手に頬を寄せてくる。
あ、そうだわ。
“幸せ”の正体をみんなに聞いてこよう。
きっと、あたしの気づかなかったことが見えてくるはずだもの。
「ごめんね」
黒猫に一言断って、膝の上から下ろして立ち上がる。
まずは、誰の部屋から行こうかしら。