xxxFORTUNE
洋館に、遊びに来たであろう彼の腕を掴む。
「どうしたんですか、いつも以上に元気が目立って迷惑なんですが」
「そんなことより、何かほしいものない?」
急かすように尋ねると、しばらくの沈黙の後に返答。
「強いていうなら、今喉が渇いているので───」
「わかった!
じゃあ、すぐにお茶を用意するわね」
キッチンまで走って向かい、お茶を準備するとイスに座った誠の前に置く。
怪訝そうにこっちを見つめる誠が気になったけど、慌ただしく庭に出る。
すっかり仲良くなったのか、鈴とじゃれ合う愛琉さんに駆け寄って再び定番の質問。
「愛琉さん、何かほしいものとかある?
できれば、お金のかからないもので」
一瞬不思議そうな顔をした後、思いついたように言う。
「そういや、おまえ四つ葉のクローバーって知ってるか?」
「四つ葉?」
「知らねぇの?」
頷いてみせると、どこかバカにしたようにあたしを見下ろして。
「おまえ、幸せ探してんだろ?
四つ葉のクローバーって見つけると幸せになれるらしいぞ」
「えっ、本当?
わかったわ、ありがとう」