xxxFORTUNE
あれ、今、聞き捨てならない単語が………
「ちょっと待って、なに!?
どうなってるの」
どうして琴葉ちゃんが、あたしの正体知ってるの?
まさか、洋館の誰かが話しちゃったとか?
いやいやいや、そんなことする人たちじゃないわよね。
「姫様が寝てる間に、みんなには事情を説明しといたよ」
「事情って?」
一番知りたいことなのに、その事情が説明されないまま大広間に到着。
真っ赤な薔薇が、洋館の内装をさらに着飾っていた。
「ヒメ、きれいーっ」
佐久間さんの元気いっぱいな声。
そうだった、みんなの前でドレス着るのは初めてだったっけ。
「ベル、昨晩は体調を崩したらしいけど大丈夫かしら?」
うっ、アヴァルア校長先生。
にこやかな笑顔を前にして、今日で人間界とさよならするのだという現実が形になってきたよう。
「治癒の魔法を使ったから、今日には治っていると思っていたけど」
アヴァルア校長先生の視線の先には、琴葉ちゃんがいる。
「姫様の病気、私が魔法で治療したの」
まさか、琴葉ちゃん、魔女?