xxxFORTUNE



あたしは思案して、結果首を傾げる。

「ふふっ」

考え込むあたしがおかしかったのか、琴葉ちゃんは小さく笑った。


「はい時間切れ。
正解は、愛琉だよ」


答えを焦らすわけでもなく、さらっと言ってのける。

正反対に、あたしは脳内でパニックを起こしかねていた。


「愛琉さん!?
嘘っ、琴葉ちゃんと全然似てないわよ」

「そりゃそうだよ、だって愛琉は魔力を感じられても魔法が使えない人間だもん」



そんなことって………



信じがたいから、否定したくなった。

けれど、よくよく考えてみれば納得がいくような気もする。


使い魔として生きてきた鈴が、愛琉さんを最初警戒してたし。

ひょっとしたら、愛琉さんの中にある微かな魔力を察していたのかもしれないわ。


「ねぇ、それって、愛琉さんはあたしの魔力をたどれば、あたしの居場所を簡単に探し出せるってこと?」

「んー、まぁ、そうなるかな」


どうやら、琴葉ちゃんの話によると愛琉さんは魔力に敏感らしい。


「だから、せっかく変装して人間界に忍び込んだのに、愛琉ってば私の正体に気づいてたみたいでさ」


つまんない、と愚痴を零す彼女は、人間界での琴葉ちゃんとは雰囲気が違う気がした。

無邪気に笑う今の姿が、彼女のありのままなのだと思う。






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