xxxFORTUNE



「すずに会えてほっとした。
なんか癒やされたよ」

そう言ってくれる里音。

やっぱり優しい。



「確かに、やたら迷惑なあなたがいると、ここも明るくなるような気がします」

「それ、けなしてるわよね?」

「いえ、ほめ言葉ですが何か?」


だけど誠は、ちょっとヒドい。



「そうそう、愛琉さんはどうしてるの?」

テーブルを囲んでお茶を飲みつつ質問。


一瞬、辺りがやけに静かになった。


「愛琉さ、今悩んでるみたいなんだ」

「悩んでる、ってなにを?」

「自分の居場所についてです」


2人のくれた詳細をまとめると、こうだ。


愛琉さんが人間と魔女の間の子ということは、あたしがエシャルに帰ってからみんなに知らされた。

それまでは、愛琉さんのご両親は海外に住んでいるという話だったらしい。


現に、愛琉さんのお母様は人間界に来ていて、夫婦揃って外国を旅行しているみたい。

そんな時、ご両親から海外に住まないかという誘いがあって………。






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