xxxFORTUNE
これが、あたしの聞いたひと通りの流れ。
愛琉さんがご両親と一緒にいたいのか、それとも洋館にいたいのか。
それがみんな、よくわからないんだって。
愛琉さんはずっと考えているみたいだって、言ってた。
「あたし、ちょっと話してくる」
お茶を飲み干すと、2人に伝えて愛琉さんの部屋へと進めた足。
すでに慣れている洋館の廊下。
迷うはずもなく、あっという間に目的地。
ノックをしても返事がない。
恐る恐るドアを開けて部屋の中に入った。
あの頃のまま、変わってない家具の配置。
ベッドの上に座っていた彼が、あたしに気づく。
あたしは黙ったまま、相手の隣に腰を下ろした。
実感する懐かしさと、ふかふかのベッド。
「勝手に部屋、入んなよ」
「だって、返事がなかったから」
謝れ、って言われるんだと思ってた。
でも違った。
愛琉さんはそのままベッドに倒れて仰向けになる。
「話聞いたわ。
愛琉さんは、どこにいたいの?」