xxxFORTUNE



こっちは、ココアブラウンの長めの前髪を風になびかせて。

優しそうな人には、とてもじゃないけど見えない。


2人でお出かけしてたのかしら。

観察するように、洋館に入っていく2人を見る。


あれ………?

今、洋館に入ったよね?


じ.じゃあっ、あの人たちが住人のうちの2人なのね!

これからお世話になるのに、ちゃんと挨拶できてない。



どうしよう……っ!



混乱する中、紙をスカートのポケットに入れると急いで洋館の扉を叩いた。









数分後、

「これから、ここで働かせていただく楼那すずです。
よろしくお願いします」

先程の2人を追いかけて頭を下げる。


人間界でのあたしの名前は、楼那(ロウナ)すず。

これから半年、この名前にお世話になるのね。

忘れないようにしなきゃ。



とびきりの笑顔を向けるけど、なぜか2人は笑ってくれない。


「あ.あのぅ……」






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