xxxFORTUNE



心配になって声をかけるけど………


「ちっ、」

片方には舌打ちをされ

「……早く、どこかに行ってもらえませんか。
読書に集中できません」

もう片方には、冷たく突き放され。



「は.はい……」


例えようのない威圧感にやられて、仕方なく出た部屋。

どこに行けばいいかもわからず、何気なく足を運んだのは洋館の外。



なんか、もうすでに不安でいっぱいになってきちゃった。

ううん、ダメよね。

こんなこと考えてたら、もっと不安になっちゃうもの。


首を左右にブンブン振ると、ポケットから取り出した紙をもう一度見た。



うぅー‥名前が難しすぎる。

みんな、なんて読むのかわからないわ。



やっぱり、きちんと自己紹介はしてもらわなきゃ。



名前と顔の一致は、紙に載せられた写真が教えてくれる。

さっきまではなかったのに、今になって見れる写真。

この紙には魔法がかけられていて、今頃になって効果が出てきたのね。


アヴァルア校長先生は、類い希な悪戯好きの先生だし。






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