xxxFORTUNE



それにしても幽霊の話題って……?

そんなに大袈裟になってるの?


「ふふっ、気になるなら肝試しでもしてみたら?」

悩むあたしを見てか、琴葉ちゃんが提案。


ただそれって、ものすごく怖いと思うの。

肝試しはエシャルでもあるけど苦手。

暗闇を歩いたり、驚かされたり、泣きたくなることばかりだもん。



「オレたちの学年で噂みたいだな。
さっき恋千に会ったけど、知らないって言ってたし」

「誠も知らねーっつってたぞ」


里音と愛琉さんの話し合いを頭に入れつつ、周囲を見渡す。

その時だった。


「きゃっ」

一瞬、何かがあたしの足に当たった。


「すず、どうした?」

慌てた里音の問いかけに答えず、気配のするほうに向ける視線。



おかしいわ、何もいない。

だけど確かに、足元を何かがすり抜けた気がしたのに。



おばけかしら?

いいえ、そんなはずないわ。




だって今の気配は───






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