xxxFORTUNE









起きた事件は、もう1つ。

学校から帰宅すると、ため息をついた恋千くんが迎えてくれた。


「どうしたの?」

ため息の理由が気になって聞いてみると、さらに深いため息が。


「やっと来ましたか。
あなたのせいで、困っているんです。
早く対処してください」

恋千くんの裏から現れた誠は、なんだかすごく疲れた表情。

促すように指差された先には、予想外の人物がティーカップ片手に優雅なひと時を過ごしていた。



部屋のあちこちに飾られた真っ赤な薔薇。

宮殿の一角であるかのような空間。

ふわふわと浮いたオルゴールが、優しいメロディーを奏でる。



「アヴァルア校長先生!?」

そこにいたのは言うまでもなく、あたしの通う魔法学校の校長先生で。



「あら、ベル。
お久しぶりね、元気だったかしら?」

久しぶりに呼ばれた本名に、妙な懐かしさが込み上げてくる。


「どうしたんですか!?
わざわざ人間界に来るなんて」

いきなりの再会に少し戸惑い、また驚きを隠せない。






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