xxxFORTUNE
アヴァルア校長先生が来るってことは、それ相応な出来事があるということで。
ひょっとして、あたしが魔法を使ったことがバレてしまったとか………。
「ベル、」
「は.はいっ」
またも名前を呼ばれ、嫌な緊張感から声が裏返ってしまう。
落ち着くのよ、バレてるわけないわ。
もしバレていたなら、もっと早くにお怒りを買っているはずだもの。
「あらあら、ずいぶん硬い表情だこと。
どうかなさって?ベル」
「な.なんでもありませんっ」
必死に誤魔化して、浮かべた下手な愛想笑い。
アヴァルア校長先生は、その様子を気にすることなく本題を話し始めた。
「ユール・ド・エシャルの姫君、ローナ・ベル。
あなたに、追加課題を与えます」
開いた窓から入ってきた風が、あたしの頬をふわりと撫でる。
「追加、課題……?」
首を傾げて説明を求めると、アヴァルア校長先生はあたしの目の前まで移動して。
「どうやら人間界に、魔界の者が迷い込んだらしいのよ」