xxxFORTUNE
人の気も知らずに、恋千くんは少しずつ近寄ってきて。
同時に歩き出した誠が、割るようにあたしと恋千くんの間に入る。
「念のため、他のみんなにも事情を説明しましょう」
「誠、そこ邪魔。
すずに触れない」
えっと……、迷い込んだ者を見つけるにはどこに行けば?
「学校の幽霊の話、それと関係あるんじゃん?
で、誠、邪魔だってば」
立ちはだかる誠を退けようと、がんばりながら恋千くんがくれたヒント。
そうだわ、幽霊の噂!
そういえば、食堂で感じた気配はあたしの知ってるものだった。
あれは、確かに魔力の気配。
「恋千くん、ありがとう!
さっそく学校に行ってくるわ」
思い立って、走り出す。
「ちょっ、すず!
1人で行ったら危ないって!」
追いかけてくる声を耳には入れず、足をさらに早めた。
「あぁもうっ、誠のせいですずに危険が及んだらどう責任取るつもり?」
「あなたが善からぬことを考えたのが悪いんです。
心配なら追いかければいいでしょう」