xxxFORTUNE









オレンジ色から漆黒へと変わり始めた空。

今の時間帯なら、部活動ということをしている人がいるはず。

まだ、学校には入れるわ。


急いで向かう先は、もちろん食堂。

ただ問題は、食堂の鍵が開いているかどうかで。



「はぁー‥、やっぱり開いてないか」

たどり着いたはいいものの、肝心の食堂へは入れない。


せっかく来たのに、これじゃあ無駄足じゃない。

食堂の扉の前をうろうろしていると、小さな足音が近づいてくるのがわかった。



「楼那さん、帰ったんじゃなかったの?」

「琴葉ちゃん!」


どうして、こんな時間にこんなところへ?

よく見ると、琴葉ちゃんの片手にはキラリと光る鍵。


「あぁ、これ?
私、お昼食べた時にケータイ忘れちゃったみたいで」

照れた笑みを浮かべて、琴葉ちゃんは扉の前に立つ。


話を聞いたところによると、忘れ物を取りに食堂へ来た。

そして、食堂に入るために職員室で鍵を借りてきて。






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