xxxFORTUNE
恥ずかしさから俯いたあたしを、2人が洋館へと案内してくれる。
ついさっき、別の2人を追いかけて入ったのだけど。
「年は違うけど、学年は同じって聞いたし里音で構わないよ。
敬語も使わなくていい」
歩きながら、そう言ってくれた小鳥遊さ──里音には、全力で感謝をしておこう。
誰から聞いたのか、ものすっごーく気になったけれど今は気にしないことにして。
「他のヤツらには、もう会った?」
里音を挟んだ向こう側で、恋千くんが質問してくる。
「2人には会ったわ。
たぶん、アケミネくんとシノイくん!」
すると、またも顔を引きつらせた恋千くん。
「アケミネじゃなくて“アキミネ”」
「あ………」
「はぁー‥頭悪すぎ。
先輩だと思えないんだけど」
そ.そんなっ。
でもでも、ここの人たちって名前が難しいと思うの。
だって、魔法学校で習った人間界でよくある名前じゃないし。
「……そういえば、あとの1人は?」