xxxFORTUNE



確かに、大変なことだけど。

あくまでも、追加課題はあたしがクリアするものであって周りに迷惑をかけるわけには………。



「里音、大丈夫よ?
今ね、琴葉ちゃんとお話していたところなの」

琴葉ちゃんがいる前で、まさか魔法がどうとかって話をするわけにもいかないし。


笑ってみせると、里音は安堵のため息を漏らした。


「ったく、どうせこんなことだと思ったぜ」

その背後から現れたのは、相変わらず不機嫌顔の愛琉さん。


あたしと目が合うと、鋭く睨んでくるから後退り。

怖いわ、オーラが。



「楼那さん、忘れ物見つかった?」

そんな恐怖の中、琴葉ちゃんは困り笑顔であたしに問いかけてくる。


「あ、えっと、もういいの!
忘れ物は大丈夫だから、みんなで帰りましょう!」


これ以上、この雰囲気のまま長居したら愛琉さんに怒られかねない。

それに、琴葉ちゃんにまで魔女であることがバレてしまうかもしれない。



話を聞くに、あたしを心配して来てくれた里音に愛琉さんは連れてこられたんだとか。

そんな彼の怒りが頂点に達しないよう、話を逸らしながら帰路に就いた。






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