希望という名のきみへ
「怖れることはない。
お前達がシェルに逃げ込んだ後、テラはシダ植物に覆われた。
お前も知っているだろう、シダは種子を形成しない、胞子で増えるのだ。
自らの中に放射性物質を抱え込み、彼らは増殖し、そして滅びた。
そのお陰で今のテラがある。
彼らが、自らの命と引き換えにテラを浄化したのだ。
その後、種子植物が彼らに置き換わり、テラを満たした。
我々はその恩恵の中で暮らしている。
種子には放射性物質は混在しない。
種子を主食としている限り、その生態系は守られる」
震えるわたしの頬に手を当て、永遠が優しく語った。
が、その口調が穏やかであればあるほど、確信に満ちていればいるほど、わたしの意識は動揺していった。