希望という名のきみへ


こみ上げる苛立ちを、抑える術がわたしには見つからない。


「そんな、酷い!

わたしは、テラに生命が存在し得るという事実さえ知らされていなかった。

不公平ではありませんか?」


「シェルを作ってミテラに篭ったのは、お前達地球人だ。

自分達を選ばれた民と称して、テラの意思を無視して仮想世界を築こうとした。

だが、所詮、自らの手によって作られた仮想世界。

不完全で当然だ」


「不完全!」


「お前が、女性であっても、子を産めないのと同じだ」


「酷い!」


わたしは居た堪れなくなって駆け出した。

永遠の言葉は恐らく真実で、わたしが不完全な滅び行く地球人であることは明白だ。

泉に行ったところでどうなるものでもない。


それならいっそ、ここで息絶えた方が潔いというものではないか……
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