希望という名のきみへ
子供
「ここから先は、上からしか入ることができない」
永遠がいつになく険しい顔をしてわたしに告げた。
「泉を取り巻く磁場は歪められている。
いや、磁場の歪みの中に泉が存在するというのが正解か。
この泉から出ることはできても、入ることは容易ではない。
そうやって、この泉は守られて来たのだ」
「じゃ、どうやって?」
行く手を阻まれたわたしは、縋るような気持ちで永遠を見た。
「我々には知恵がある。
勿論、空から降りるに決まっている」
その言葉に、迷いはなかった。