希望という名のきみへ
「日没を待って飛ぶ。それまで、身体を休めておこう」
そう言うと、永遠は再び洞の奥に身体を横たえた。
「未来もこっちへこい。そこは日が当る」
わたしは永遠の言葉に素直に従った。
彼の腕に抱かれ、その傍らに横になる。
「泉のことを話しておこう」
永遠の落ち着いた声が心に届いた。
永遠が私に語ろうとしている、母なるテラの泉、を頭に思い描いてみた。
だが、わたしには、泉という概念に対する実感がなかった。
泉とは、流れる川とは違う、水を湛えた水槽、の様なものだろうか……
「泉とは、水の湧き出る池、水溜りのことだ。
その水は、テラの奥深く、命の源から湧き出ている」
永遠の意思を聴きながら、その映像を受け取った。
煌く水面、水面に移る葉陰、葉陰を揺らす水しぶき……
声、声、声……