希望という名のきみへ


永遠が腰から剣を引き抜き、大きく振り下ろした。

わたしの目には見えない何かが、彼には見えるらしい。


<ガウウッ……>


振り下ろされた剣の先に、血しぶきが飛んだ。

彼はどうやら獲物を一撃でしとめたらしい。


ドサツッ……


確かに何かが地面に倒れこむ音が聞こえた。


「今だ、走れ!」


わたしは永遠に手を引かれ、走り出した。


「奴らが、食うのに夢中な間に逃げるんだ!」


倒れた仲間を食う?


「捕食する彼らにとっては、動くもの全てが獲物だ。

仲間とて例外じゃない。

おぞましいことだが、わたし達にとっては好機だ」


永遠の説明に、身の毛がよだった。
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