希望という名のきみへ
「あの滝の下までは、歩いていける。
泉は、そのすぐ奥だ」
この川の水は、泉から溢れ出た恵みなのだろうか。
永遠の言葉を信じ、わたしは水に足を踏み入れた。
火照った身体に川の水の冷たさが心地良い。
足を運ぶたび、水面に広がる小さな小波。
流れる川のせせらぎの音。
わたしは水に浸る心地よさに戸惑っていた。
滝まではあっという間だった。
勢いよく水飛沫をあげる滝の目前で、永遠はぴたりと歩みを止めた。
「この滝の奥に入口がある。わたしを信じて前に進むのだ」
そう言い残すと、永遠は引いていたわたしの手を離し、ひとり滝の中へと進んでいった。