希望という名のきみへ



「暑いなら脱げばいい。ここは安全だ。身構える必要もない」



わたしは困惑した。

生まれてこのかた、このスーツを脱いだことなどなかったのだ。

今まで着ていることさえ忘れていたくらいなのだ。

このスーツがわたしの身体の一部であるとさえ感じていた。



「愚かな」



永遠は、既にわたしの心の内を読み取っていた。
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