希望という名のきみへ
「トワ、おなかへったよ!」
子供たちが騒ぎ出した。
彼らの欲求は待った無しだ。
「そうだな、先ずは腹ごしらえが先だ」
永遠はあっさりわたしから目を逸らすと、子供たちを連れて歩き出した。
ここはもう危険のない安全地帯なのだ。
永遠はわたしを振り返ることなく歩き続ける。
彼の後を追うか、ここに留まるか、それを決めるのはわたしの意思なのだ。
わたしは、慌てて彼らの後を追った。
子供達がつくるテラの今の姿を確かめたかった。
永遠に寄り添い、彼の必要に応えたい。
空腹がわたしの背中を押す。
意思をもって決めるとは、案外、本能に近いものなのかもしれない。