希望という名のきみへ
それはある意味、必然だったとも言える。
安易に建設された各施設の保全体制は日常化され、その信頼は形骸化していたのだ。
北半球に集中していた核施設が、連鎖的に爆発を引き起こし、死の灰が大陸に降り注いだ。
核燃料プールは不用意に放置され、蓄積されたプルトニウムは無用の長物と化した。
放射能は水を媒体として循環し、次第に地球規模の放射能汚染が広がっていった。
事故の連鎖は偶然だったのか、それとも作為的なものだったのかはわからない。
その爆発の規模と大きさは破壊的で、まき散らされた放射能は地球上のありとあらゆる生物の命を絶滅に追いやった。
爆発が起きた時点で、間違いに気づいても遅かった。
原因を究明する時間も労力も、すでに我々には残されていなかったのだ。