希望という名のきみへ
子供たちは朝目覚めると直ぐ、朝露に濡れて光る蜘蛛の巣を探して動き回る。
そして巣を見つけると、それを細い木の棒でそぉっと巻き取るのだ。
彼らはそれを何度か繰り返し、一度自分のねぐらに引き上げる。
わたしも大地の後について回り、その様子を目の当たりにした。
朝露に濡れて光る蜘蛛の巣は、それは芸術品のように美しかったが、彼らは嬉々としてその巣を巻き取っていった。
一番大きな巣を作るのは、黄色い鬼蜘蛛。この蜘蛛は大きく、足を広げると手のひら程の大きさがある。
次に、密度の高い美しい巣を作る、背に赤い斑模様のある姫蜘蛛。大きさは親指の頭程で、体が丸く、手足が短い。
そして姫蜘蛛に似た、美しい赤い色をした赤蜘蛛。
この赤蜘蛛には毒がある。
大きさ形は姫蜘蛛と同じで、斑模様のない地赤。一見して見間違うほどそっくりなのだ。
誤って赤蜘蛛の巣を壊し、刺されて死に至ることもあるという。
恐ろしい話だ。