希望という名のきみへ
泉のほとりの木陰には、機織り機がいくつも並んでいた。
木を組み合わせて作られたその機織り機は、皆年季が入っていた。
壊れた個所は修理が施され、一部には金属製の釘も使われているようだ。
――何時、誰が作ったものなのだろう?
この泉に住まう子供達の暮らしぶりからは、想像もつかない代物だ。
だいたい、ここには大人は居ない。
もしかすると、この機織り機は、わたし達地球人の遺跡から持ち込まれたものなのかもしれないと思った。
――だとしたら、誰が何のために?
不思議の謎は、更なる疑問を生んでいく。