希望という名のきみへ
赤い光を避けながら、やっと辿り着いた洞窟に、子供達を押し込んだ。
この厚い岩なら、なんとかレーザーの威力を防ぐことができるだろう。
わたしはホッと一息ついた。
わたしの背中にしがみ付いていた大地は、緊張のあまりぐったりとして生気がなかった。
他の子供達も同様だ。
攻撃は絶え間なく続く。
それは恐らくエネルギーの尽きる日没まで続くのだ。
わたしは静かに目を閉じた。
その先に浮かぶ、ミテラの姿を思い描く。
補修用レーザーがその標準を外に向けているのは何故なのか。
その発射位置がミテラの下弦に据えられていたのは何故なのか。
そこには、ミテラから外部に出る、唯一の非常用ハッチがあった筈だった。
――誰かがわたし達を狙い撃ちしている?!
そんな考えが浮かんだ時、わたし達の後ろで声がした。
「誰かいるのか?」
それは男の声だった。